おかえりの言葉(短編・完結)

家に帰るきっかけを失いかけた頃、美和に会った。


偶然ではなかった。


彼女は愛する信弘のために必死になって自分を探したのだ。
 

信弘は気づいているのだろうか。


父親がいなくなるたびに美和も自分を訪ねて来なくなっていたのを。
 

信弘がしばらく健人に会わずにすんでいた期間に二人は出会った。


ちょうど、自分が家を出ていた間だ。


父親が家にいなくなると信弘は少しだけ安定する。
 

なのに帰った途端、信弘は美和が健人の恋人だと思い込んだ。