おかえりの言葉(短編・完結)

「健ちゃんが今、欲しいものって何?」
 

来月は建人の誕生日だ。


プレゼントはいつも聞いてから買っている。


時々、買えないくらい高価なものを言われる事があるけど、そういう時はそれに似たものをあげる。
 

でも今回は無理そうだ。


「メイド」
 

そんなものどうやってプレゼントするんだよ、と思いながら信弘は吹き出した。


「母さんをメイドみたいに扱ってるじゃないか」
 

建人は、自分の事を自分ではしない主義だ。


「あれは年増なうえに可愛くない」
 

母親が若くて可愛かったらおかしいだろう。