「……着替え終わったよーー!!」
「はーい。カーテン開けるね!」
私は優希くんのお言葉に甘えて体育着を貸して
もらった。
着た瞬間、ふわっと優希くんの暖かくて甘い香りに包まれて少しびっくりしてしまったのは
内緒で。
「あ、髪の毛濡れてる。タオルっ……はいっ!!
あいちゃん…ってわあぁっ!!」
優希くんは私のために
タオルを持ってきてくれたのだがその途中で
コケてしまいこちらに倒れ込んで来た。
「……っ!!」
「あっ…ご、ごめん。大丈夫?」
その時だった。
ガラガラッ ドカンッ
雷が鳴ったのは。
一瞬にして部屋が闇に包まれる。
「……っ、っっ」
体の震えが止まらない。
ーーー昔から暗闇は嫌いだ。
今相手に何されるかが見えないから。
相手の顔色が分からないから。
怖い。暗い。何が起きているのか分からない。
……嫌だっ
「……怖い?…大丈夫だよ。」
優希くんが耳元で優しく囁いたのと同時に
優しく抱きしめられた。
「……うっ…ぐすっ…」
「大丈夫。何かあったら僕が守るよ。」
心地よい感覚に包まれて心がポロポロ解れていく
感覚が私を支配した。


