「まず、自己紹介からしよっか!」

「僕の名前は、天王あお。あおって呼んで。見ての通り、可愛いものが好き。」

「私の名前は、雨水りら。さっきも言ったけどりらって呼んでほしい。そして、かっこいいものが好き。」

「…りらは、なんでこの学校入ったの?」

「セブンオーシャンって世界でも活躍してるでしょ?だから、社長になって日本、世界にこういうトランスジェンダーの人がいるよ、差別やめよう、とかそういうことを伝えたいの。だから、正直愛とか金とかはどうでもいい。親だってこんな私を笑って捨てたから…」

「そっか。僕もだよ。親、こんな僕をキモいとか言って出てったからね。」

「やっぱり、みんな知らないんだよ。私たちがどんなに苦労したか、迷惑かけないように生きてきたか…」

「うん。だから、僕たちでこの不平等な世界を変えよう!」

「そうだね…てゆうか、あおはなんでこの学校入ったの?」

「えーっと…今日みたいにいじめてきた奴を見返したくて…」

「言い返せないのに?」

「うん…。でも、りらに会ってから変わろうと思えたよ。自分らしさを絶対に否定しない姿を見て。だから、僕も頑張る!」

「あっそ…ていうか、足引っ張んないでね?」

「んー…分かんなーい」

「えー?あっ、そういえばあおの苗字ってあまのだよね。どういう漢字?」

「天の川の天に王様の王。」

「なんか…男っぽいね」

「うん…だからこの苗字嫌いなんだ。あおっていう名前も。」

「私も、自分の名前嫌いなんだよね。どっちかというと女子っぽいじゃん?」

「僕たち共通点多いね。」

「案外、合うかもね。デステニー侮れない…」

その後も、トランスジェンダーの話で盛り上がった。

「はぁーっ。仲間がいて嬉しい!僕、この学校きたかいがあったよ。」

「まだ、入学1日だよ?」

「あはは、じゃあ、おやすみ」

「おやすみ」

その夜は、ぐっすり眠れた。
いつも、寝付けないのに…