なぞの男との出会いの後、入学式が始まり、入学式が終わった。入学式にあの男もいたが、目も、合わせてくれなかった。あの男は、学園長に文句を言いに行ったのだろうか。
私は、初日の夜、ハンバーグを相部屋で、作って待っていた。夜ご飯は大切だから。ハンバーグは、冷蔵庫に入っていたひき肉を使ってボウルの中で、こねくり回した。あの男のことを考えながら。アイツは、どこから七海学園高校に来たのだろう。なぜ来たのだろう。アイツは、謎のベールに包まれている。
練ったひき肉にみじん切りの玉ネギ、人参、そして隠し味のピーマンを入れる。これが苦くてクセになる。それを、フライパンで焼く。ジュージュー。おいしそうな音を立てて焼き上がる。焼き終わったフライパンで、デミグラスソースを煮詰める。ケチャップで作った洋風の、ソースだ。ハンバーグにかけたら、とてもおいしそうに出来上がった。ちょうど出来上がった所で、ガチャリ。ドアノブがひかれた。ドアの近くには、あの男が立っていた。「あの。」私は、こんなパートナーでごめんなさい、と謝ろうと思った。しかし男は、今日の事を一人で喋り始めた。「学園長には、却下された。デステニーは、絶対だって。でも俺は、お前とは、パートナーになんてなりたくない。でもダメだった。」話が終わると、男は、「まだ自己紹介してなかったな。俺は、元神蓮。元神カンパニーの次期社長だ。」私はつい、「えーーー!」と叫んでしまった。