「はぁーあ、ねむ」

「もぅ〜高校2年生初登校くらいシャキッとしてよ!」

「しょうがないじゃん、眠いんだもん」

眠たがっているこの人はマンションのお隣さんで幼馴染の永海楓汰(ナガミ フウタ)。
部活はバスケ部。
性格はツンデレの超絶マイペース。

小学生の時から気づけば毎日一緒にいて、高校生になった今でも楓汰の部活がオフの日はこうして一緒に登下校してくれる。

「楓汰くんかっこいい〜!」ってよく言われているから、どうやら楓汰はイケメンらしい。

一緒にいすぎてわかんないけど、
優しくて良いやつで私の数少ない友だちの1人


校門から綺麗に並ぶ桜並木を抜けて
玄関に着くと、

「はぁ、またか」

「んー?あ!また手紙もらってる!放課後来てくださいだって、楓汰は今年もモテモテだね」

「…」

「…なによその顔、じゃあ帰りは別々だね」

「それは無理。一緒に帰る。待ってて。じゃ」

呼び止めても振り向くことなく
それだけ吐き捨てて自分の教室へと向かってしまった。