キミと最期の1週間

気持ち良いくらいの快晴。
「ねぇねぇ、はやく!はやく!」
「待てって」
その日は久しぶりのデートだった。
「そんなに急がなくても遊園地は逃げねぇから」
雫は呆れたように笑いながら言った。
「だってたくさん遊びたいじゃん!」
すごいはしゃいでいた。
私は雫の手を引っ張って色々な所に連れ回した。
ジェットコースター、コーヒーカップ、お化け屋敷、メリーゴーランド。
チュロス、ポップコーン、お昼ご飯のポークライスロール、パフェ、アイス。
色々な物を食べた。
楽しかった。
嬉しかった。
ずっとこんな時間が続いて欲しいと心から願った。
日没より少し早い時間。私達は観覧車に乗っていた。
「楽しかったね」
「俺は疲れたけどな」
「えへへ。ごめんて」
「でも、結の新しい表情見れて良かった」
背に夕日を背負いながら、なんの恥ずかしげもなく言ってきた。
その言葉に私は顔が紅くなった。
「あはは。結、顔紅いよ?」
「ッ…!そっちのせいでしょ!」
「ごめん、ごめん」
「許さない」
そっぽを向いて拗ねたように言ってみた。
「……じゃあこうしたら許してくれる?」
「ん?」
雫の方を向くと
ちゅ
「……?!」
私の頭の中は真っ白だった。
唇に触れたあの温かさを理解するまでに結構な時間を要した。
理解したと同時に恥ずかしくなった。
雫の顔なんか見れなかった。
「き、急になにするの!」
「…どうしたら許してくれるかなって考えて、そしたらこれが一番いいかなって」
「〜~ッ。許すよ。でも…やられたままなのは嫌だから……」
ちゅ
「お返し!」
照れながら言った。
ぎゅ
「はぁ。どうして結はそんなに可愛いんだ?」
「えッ?!」
ぎゅーー!
「ちょっ。雫。苦しいよ」
「結が可愛いのが悪い」