気持ち良いくらいの快晴。
「ねぇねぇ、はやく!はやく!」
「待てって」
その日は久しぶりのデートだった。
「そんなに急がなくても遊園地は逃げねぇから」
雫は呆れたように笑いながら言った。
「だってたくさん遊びたいじゃん!」
すごいはしゃいでいた。
私は雫の手を引っ張って色々な所に連れ回した。
ジェットコースター、コーヒーカップ、お化け屋敷、メリーゴーランド。
チュロス、ポップコーン、お昼ご飯のポークライスロール、パフェ、アイス。
色々な物を食べた。
楽しかった。
嬉しかった。
ずっとこんな時間が続いて欲しいと心から願った。
日没より少し早い時間。私達は観覧車に乗っていた。
「楽しかったね」
「俺は疲れたけどな」
「えへへ。ごめんて」
「でも、結の新しい表情見れて良かった」
背に夕日を背負いながら、なんの恥ずかしげもなく言ってきた。
その言葉に私は顔が紅くなった。
「あはは。結、顔紅いよ?」
「ッ…!そっちのせいでしょ!」
「ごめん、ごめん」
「許さない」
そっぽを向いて拗ねたように言ってみた。
「……じゃあこうしたら許してくれる?」
「ん?」
雫の方を向くと
ちゅ
「……?!」
私の頭の中は真っ白だった。
唇に触れたあの温かさを理解するまでに結構な時間を要した。
理解したと同時に恥ずかしくなった。
雫の顔なんか見れなかった。
「き、急になにするの!」
「…どうしたら許してくれるかなって考えて、そしたらこれが一番いいかなって」
「〜~ッ。許すよ。でも…やられたままなのは嫌だから……」
ちゅ
「お返し!」
照れながら言った。
ぎゅ
「はぁ。どうして結はそんなに可愛いんだ?」
「えッ?!」
ぎゅーー!
「ちょっ。雫。苦しいよ」
「結が可愛いのが悪い」