「そんなことないわ。私たちは萌奈が生きていてくれるだけでいい。それだけで。ただそれだけで」
「お母さん……」

涙があふれる。今日の私は泣いてばかりだ。だけど、悲しい涙じゃない。
これは決意の涙。私はちゃんと前を向いて生きていく。リリカちゃんの言葉はまるで魔法のように私の心のポッカリとあいた隙間にはまった。
上手いことは言えないけどって言っていたけど、リリカちゃんは私の欲しい言葉を全部くれた。優しで包み込んでくれた。

「リリカちゃんがいってくれたの。萌奈の人生は萌奈だけのものだよって。それ聞いたら心の中のモヤモヤがスーって晴れた気がした。私は私のままでいいんだよって言ってもらってるみたいだった」
「そう。いいお友達が出来て良かったね」
「……うん」

ポロポロも涙を流しながら私と母は目を見合わせて笑った。

「そうだ。今日リリカちゃんが買ってきてくれたスイーツ食べたら?」
「そうしようかな」

母が涙を拭ってパタパタとスリッパを鳴らしてキッチンへかけていく。
私は立ち上がり、部屋のカーテンを開けると夜空に輝く星を見上げた。
リリカちゃん、もう家に着いたかな。
私は夜空を見上げながらリリカちゃんへ思いをはせていた。