顔も見たくないし、殿下を避けていたのかもしれません。

 急に好きだと言われて、気持ちがついていきませんでした。

 きっとすぐ違う人に恋するに決まっています。

 また私を邪魔者扱いする……切り捨てるんです。

 寂しかった気持ちをこじ開けてこようとするのです。

 自分勝手に恋を押し付けてきます。



「はい、お返事を、」

「待ったぁぁぁぁー!」

 返事をしようとすると殿下が、大きな声を出して遮りました。



「そこの二人出て行ってくれる?」

 ブラッドとマドレーヌ様を部屋から退出させようとします。


「デリケートな話だからさ、私も心の準備が出来てないけど、聞きたいんだ! カテリーナと二人で!」

 まごう事なき二人きりになりました。