「あ、あら、嫌だわたくしは殿下のこと何とも思っていないという事をお伝えしたかっただけですのよ……カテリーナ様、気になさらないでね……」
マドレーヌ様のこのような姿を見るのは初めてでした。するとブラッドがノックをして入ってきた。マドレーヌ様に挨拶をしに来たようです。
「あれ僕、邪魔だった?」
カテリーナに聞くとマドレーヌ様がいいえと答えました。
「ブラッド様も聞いてください。私と殿下を婚約させて、カテリーナ様は……お兄様と婚約させられようとしています」
「「えっ?」」
ブラッドと同時に驚き声を上げてしまいます。
「わたくしがオーウェン様と……?」
考えたことがありませんでした……これにはノーマンも驚き訝しい顔をしている。
「殿下はカテリーナ様と婚約をしたいと思ってらっしゃるし、カテリーナ様そろそろ返事をして差し上げないと、取り返しのつかない事になりますよ」
返事を先延ばしにする事は出来ないようです……
マドレーヌ様が帰った後に手紙が届いた、オーウェン様からでした。約束のお茶会をしようとお誘いを受けました。学園に行きマドレーヌ様に相談をしようと思ったら、何故か殿下も同席をしていました。ブラッドも事情を知っていますので、一緒に話を聞きます。