「急に来てごめんなさいね。どうしても会ってお話ししたくて」

 マドレーヌ様を迎え出る我が家の使用人達にも笑みを漏らす。これで皆はマドレーヌ様の虜になっている。さすがです! 見習わなければなりません!!


「今回の殿下の王太子任命と婚約のお話はお聞きまして?」

 困ったように話出すマドレーヌ様。

「はい、先ほど父から聞きました。マドレーヌ様と殿下の婚約のお話ですよね?」

 マドレーヌ様が望んでいるのなら、身分が高いもの同士でお似合いだろうと思います。幼馴染ですし、気の知れた仲という事もありますもの。


「ごめんなさい! お兄様が勝手に話をしたの! 私は殿下とは友人で、婚約なんてしたくないのっ本当よ。絶対! 生理的に無理! 100%無理なのっ」


 とてつもなく否定をしてきますが……


 お話も合いそうですし、側から見ても美男美女でお似合いですもの。私にいうよりも、オーウェン様に仰った方が……困った顔をしてしまいました。