「殿下はマドレーヌ嬢とカテリーナ嬢どちらがお好きなのですか?まさか……二人とも?」

「お二人とも、美しい方ですからね! 殿下は決めかねていらっしゃるのですか?」

「……いや、二人の事は好ましく思っているのだが、お前たちのような好きとは違うな」

 マドレーヌは公爵家令嬢で高位貴族なのに、驕らず優しく優雅である。透き通るようなふわっとしたブルネットの長い髪と瞳。陶器のような肌に、何もしていなくとも赤い唇はチェリーのようだ。
 話術も長けており、会話をしていて逆に勉強になるくらいの才女でもある。
 例えるのなら友人か?