飾り気のない学園の制服を着て、これだけ可愛いなんて! 今まで私は一体何を見ていたんだろう……情けない。


 義弟を見て笑顔を見せるカテリーナに胸がギュッと押しつぶされるような感情が湧いてくる。なんだ……この気持ちは!

 その後カテリーナと目が合ったが、知らないふりをされた……義弟との態度の違いにイラッとしてしまった。



 教室に戻り友人達との会話を楽しんでいると、皆が新入生で一番可愛いのはカテリーナだと言っている。たしかに……カテリーナが一番可愛く、輝いていた。

「あれ? カテリーナ嬢と言えば殿下の婚約者候補ではありませんでしたか?」


 級友が言うと、事情を知る友人達がそれとなく話を逸らしてくれた……ありがたい。その後もカテリーナが、可愛かっただの、可憐だの、話をしたいだのと言う話が聞こえてきたが、ボォーッと窓の外を見つめ上の空だった……