しばらくしてカテリーナとマドレーヌがやって来た。

「どうしたの? 少し外すって言ってたのブラッドに付いていたの?」

「はい、左様でございます。お嬢様、殿下がお待ちでしたよ」

 私より先に執事に声をかけるのか……まぁ良い。


「殿下どうしました?」

 隣に腰掛けるカテリーナ、気にかけてくれるのか? 優しいな。

「いい加減名前で呼んでほしいよ、カテリーナ」

 指を重ねるように手を繋ぐ。

「それは二人の時だけにするって約束です」


 恥ずかしそうに下を向くカテリーナ、可愛いな。ノーマンの顔をチラッと見るとしらっとした顔をしている。あんな事を言った後なのに、しっかり執事の仕事は出来るんだな。

 若干、薄気味悪いけど、それは……人のこと言えないしな……


 王太子になったら執務の量も倍に増えた……

 この前オーウェンが持ってきた書類が、まためんどくさかった……嫌がらせだろう。

 カテリーナも王太子妃教育がありうち(王宮)に来てくれると言うが、執務の量半端ないよ。
 カテリーナとゆっくり過ごすのはしばらくは無理だ……でも会えるだけでも幸せです。


 これから迷惑をかけた人たちへの恩を返すために、頑張ります。
 これからの私を見守って欲しい。と言ったらどの口が言う! とまた怒られそうだから、態度で示します……


 カテリーナは男の趣味が悪いとマドレーヌに言われたんですよ。


 ごめんカテリーナ。私のせいで悪趣味呼ばわれされてしまってるね。


 あと数年……結婚するまでにはなんとか名誉を挽回したいと思います。カテリーナの名誉を……




 カテリーナ、幸せにしてください……。