侯爵家は僕に充実した生活を与えてくれた。大好きな本に囲まれて、素晴らしい教師もつけてくれた。毎日リーナとお茶もした。


 宰相を務める父と一緒にリーナは出掛ける。その時は僕は留守番だった。
 王子の元に遊びに行くのだと言う。ブラッドも行こ! 誘われるが行かない。

 僕はその間に勉強をする。リーナと約束したから、この家を頼まれたから、ちゃんと出来る事はする。後悔したく無い。


 よく分からないけど、リーナにはノーマンと言う執事が仕えている。リーナがお菓子を取り上げられていたのに、母上は何も言わない。どうして? 執事なのに失礼じゃないか? と聞くと、良いの良いの! 仲良しでしょう?

 ノーマンはリーナに仕えているから、私たちはリーナが嫌だって言わない限り、何も言えません。ノーマンも分かってやっているの。ほら、リーナも楽しそうに笑っているわ、私が許しているのだから、ブラッドも許してあげてね。あの子からノーマンを取り上げたら、悲しむわよ。

 なんだかそう言う関係らしい。僕がくる前の話だから分からないけど、母上が許しているのなら、それで良い。