「リーナはそれで良いのか?」

 父が確認するように聞いてくる。

「はい。問題はありませんよ。殿下のお好きなようになされば良いと思っています」


 ブラッドの言う通り学園では、友達と楽しく過ごしたいですし、同じ歳だけどブラッド(義弟)はすでに学園生活を送っているので、一緒に学園に通うのは楽しそうですもの。

「リーナがいいと言うなら抗議はしない事にしよう。マドレーヌ嬢の父上の公爵殿も抗議はしないとの事だよ」

 諦めたかのような口調の父だが

「婚約者候補ではなくなったから、変な男に引っかからないように、ブラッドは見張っていてくれ」

「はい! お任せください」


 ブラッドは同じ歳だが私が五月生まれでブラッドは十一月生まれだから私が姉である。うちには私しか娘がいないので、父の親戚からブラッドが引き取られました。

 ブラッドの家は裕福な子爵家だが三男だった事とすぐに仲良くなれた事で、養子に入る事になりました。