「芽衣は好きな人とかいないの?」

「いない」

ここは即答させてもらいます…

今まで恋愛経験は一切ない。

だから、バレンタインとか尚更作ったことがない。

小学校の時まではお父さんと琉衣にあげてたかも…?

覚えてないけど…

「えー。じゃあ、誰にあげるの?」

「本当…どうしようかなって…」

「別に好きな人じゃなくても身近な人とかさ、感謝伝えたい人でもいいんじゃない?」

感謝伝えたい人…

「…美玲ちゃん」

「あらっ、うれしっ」
 

なんて、片手を頬に当てる美玲ちゃん

美玲ちゃんと…琉衣と、お父さん…だけでいっか…

すると、ふと星くんの顔が思い浮かぶ。

星くんとはあの日からよく話すようになった。