君がいなくなった世界

「もも、どうしたの?」

「そうだよ。泣かないで……?」

そう言われて自分の頬を触ると、涙で濡れていた。

でも仕方ないじゃん。

温かい大好きな人の一人が生きてないんだって思うと、泣けて泣けて仕方ない。

翼に会いたい。

私を置いていかないで……!

私は大好きなサクランボが少し残ったままのお弁当箱をそのままに、屋上へと駆け出した。

階段を駆け上がり、屋上の重たいドアを押し開けて外へ出る。

中庭とは少し違う、涼しい風が吹いていた。

ふと顔を上げて真っ直ぐ前を見ると、屋上の柵が目に入った。