君から声がかかる前に

「前来たときより片付いてる!」

「そう?あ、でも最近は綺麗好きになったかも」

「へー」

ほんとかな?とでも言いたげだ。

「それでさ、なんで私が学校の屋上にいるって分かったの?」

「夢で見たんだよ」

「夢?」

何言ってるんだ、こいつ。みたいな目で僕を見る。

「そう。優弓が虐待が原因で学校の屋上から飛び降りて死ぬっていう夢をみたんだよ」

「おぉー!正夢って本当にあるんだね」

「テンション、高くない?」

ついさっきまで死のうと思っていた人とは思えない。