ピーンポーンという、高めの音が聞こえて数秒。

鍵を開ける音がしてドアが開いた。

「あら、椿くん。どうしたの?」

出てきたのは、優弓じゃなかった。

ふと目を逸らすと、キラって光るものが見える。

玄関まで飛び散ったガラスの破片。

僕はそれを見て、確信した。

さっきの夢は予知夢か、もしくは正夢だ。

「あのっ!優弓!優弓はいますか?」

「優弓なら、さっき家を出たわよ?」

そう聞いた時、やばいと思った。

学校っ……!

早く学校に行かないと。

衝動的に、僕は通学路を駆ける。