君から声がかかる前に

呼吸が苦しくなるほどだ。

鼻呼吸だけじゃニ酸化炭素があまり外に逃げないせいか、それとも凄い勢いで風が入ってくるから抜け出せないのか。

苦しくなって、口を開けた。

でも口も鼻と同じ。

僕は思わず片手を柵から離し、口元にあてて外から口へ入る風と壁を作った。

やっと呼吸が整ってきたとき、ついさっきまでの風より強い風が吹いた。

その瞬間、僕はバランスを崩してしまい、屋上から落ちてしまった。