君から声がかかる前に

「今日、いつもと違って縛ってるな」

僕が話しかけると、優弓はなんのこと?と言わんばかりにこっちを向いて首を傾げる。

「なにがー?」

僕が髪の毛、と言う前にほぼ予想通りの言葉が聞こえてくる。

あの顔をした時は、大体なんで?か、なにが?と言われるのだ。

「髪の毛。いつもら縛ってないだろ?」

「あぁ!今日は金曜日だし、ちょっと変えてみたの」

「へー。似合ってるじゃん」

口ではそう言いながら、金曜日って関係あるか?と思ってしまう。

女心は難しい。

「ほんと?ありがと」

少し照れながら言う優弓。

あんまり照れているところを見たことがないから新鮮だった。

ドキッとした。