「二日後の夜、満月なんだよ。あんまり見れないスーパームーン。遠くからだけど一緒に見よう?」

家の近くのバス停で降車する。

久しぶりにニ人で帰る帰り道。

カフェまでのテンションとは違って落ち着いた雰囲気の中、今までにない提案をされた。

「いいな」

「二十時くらいが一番綺麗らしいの」

そう聞いてすぐ、僕はスマホのカレンダーに二日後の二十時の十分前に通知が来るように設定した。

「忘れないでね?」

微笑みながら言う優弓は、以前の明るい優弓と全く変わらなかった。