君から声がかかる前に

サッカーか何かをしているようなやりとりをしながら全カダッシュで走って、走って。

ギリギリで二人でバスに乗り込んだ。

「あっぶな……椿、遅いよ……」
「ごめんごめん……。やっば……きつ……」

二人揃って息を整えながらバスに揺られる。

いつも降りるバス停の一個遠いところに、例のオシャレなカフェがあるらしい。

電車とかバスの中では静かにね、と幼稚園の頃にそう教わったせいか、それ以降の僕らは黙っていた。

もちろん会話をしていないわけではないが。