君から声がかかる前に

「椿、早く!行列になってたら終わりだら!」

「あー、門限?」

「そ。だから早くカバンの準備して!」

「はいはい」

テンションが高くなっているのか僕を煽っているのか、僕の一歩先でぴょんぴょん飛び跳ねている。

優号が跳ぶのとほぼ同時に、優号のスクールバッグについている、テーマパークの薄茶色の目がくりくりしたうさぎのぬいぐるみも上下に移動する。