君から声がかかる前に

毎日同じように目覚ましの音で朝起きて、学校に行く。

今日は優弓とも咲ともすれ違わなかった。

教室に入るも、授業までの暇な時間が大量にある。

仕方なくノートの隅に下手なうさぎを描いて時間を潰していると、優弓が来た。

「椿、今日一緒に帰る?」

「いいよ。どっか寄る?」

「え!じゃあー、オシャレなカフェ!」

「ここら辺あるかー?」

「あるよ。最近出来たの」

「マジ?」

「うん。ちっちゃいけど凝ってるケーキが有名で。テレビにも出てたんだよ」

「じゃあそこにしよ。これで帰りまで頑張れるわ」

なんて笑って見せると、優弓も幸せそうに笑っていた。