君から声がかかる前に

「あ、椿……。待ち合わせ遅れてごめん」

「大丈夫だよ。優弓、大丈夫?」

僕がそう聞いたのは、優弓の服のボタンがニつほど開けられていて、その首から緑色っぽいアザらしきものが見えたから。

「大丈夫大丈夫!どうしたの?」

引きつった笑顔で言う。

「無理してない?」

「えー、私が無理できるわけないじゃん!椿の気のせいだよ」

「そっか。そうだね」

いつも僕が気にすることは大体気のせいだからと納得した。