君から声がかかる前に

よく寝た。

ふと時計をみると、十五時を指していた。

朝も昼も食べていない。

「お腹すいたな」

空腹を満たすためだけにリビングに向かった。

リビングの戸を開けると、母さんはソファで寝ていた。

足音を立てないように冷蔵庫へ向かい、ラップにくるまれている白ご飯と昨日の残りの唐揚げを出して、電子レンジに入れる。

少し待つと、ピーピーと、温めが終了した音が聞こえてきた。

あつあつのご飯と唐揚げを机に移動させて、いただきますと手を合わせる。