君から声がかかる前に

一人で思い出せる記憶の限界まで思い出そうと頭を回転させていると、優弓が口を開いた。

「みょーじはね、お名前のうえにあるお名前なんだって!私はたかかわなんだ!たかかわ
ゆみ!」

「じゃあぼくはにしのだ!にしのつばき!」

「へー!じゃあつばきとけっこんしたら、わたしにしのゆみだね!」

「うん!」

こんなこと、あったわ。

「にしのゆみだね!」ってところは何故か覚えていて、たまーにふと頭をよぎる。

優弓、大胆だなー。