君から声がかかる前に

「ふーん。優弓、おはよ」

「あ、……椿おはよ。て、なんで咲くん?」

「なんか、たまたま見つけて降りたらしいよ」

「そうなんだ!……じゃあ、またね」

「うん。じゃあ教室でな」

「優弓ちゃんあとでなー!」

「うん。咲くん、椿をよろしくね」

「ふはっ」

「おい、笑うなよ」

「おう。まかせろ!」

「まかせられるなよ」

「お前優ちゃんに子ども扱いされてるだろ」

「心配性なんだよ」