君から声がかかる前に

向かい合って笑う僕らは、小学二年生にして青春しているように見えた。

そこら辺の、僕みたいなチキンな高校生よりも、小さい頃の自分は今よりずっとずっと大人に見えた。

「ひまわり、綺麗だね」

「ね。夏だーって感じする」

「夏休み、なにするの?」

「知らなーい。椿は?」

「僕も分かんない」

「そっか。ねぇ、夏休み公園で遊ぼ!」

「いいな!」

そこから僕らは、黙って庭に咲く大きなひまわりを見つめていた。