君から声がかかる前に

「いいね!じゃあ早速。ここなんだけどさ、分かる?」

相当な難問なのか、眉間にシワを寄せて考えている。

優弓が指さした場所は、今の僕ならスラスラ解けてしまうような簡単な問題だった。

「あ、そこ僕も分かんない」

そう、優弓と同じように眉間にシワを寄せる
僕。

この二人、おかしいな。

自分と幼なじみはおじさんとおばさんかな?

そう考え始めると、思わず笑ってしまう。

「じゃあもうダメじゃん!」

「だね」