優弓は母親が逮捕されてすぐ、母方の祖父母の家に引き取られた。

優弓の祖父母の家は隣町。

僕たちは学校でしか話さなくなった。

一緒に帰ろうって言おうとしても、家は真逆。

一人で帰って、家に着いたら自分の部屋に入ってベッドに突っ伏した。

家が遠くなると、こんなにも寂しく感じてしまう。

自分の中の優弓の存在は、日を重ねる毎に大きくなる。

それが、約十四年。