君の見ていた空


 「田中くんには、敵わないなぁ。僕がこの会話を龍道さんに聞かせているのも丸分かりか。……田中くん、僕は、田中くんの事、友だちとして結構好きなんだ。田中くんが今より、もう少し生きやすくなる為に余計なお節介をしてしまったね。僕は、鬼ヶ城竜胆、キミの事が気に入ったから、獄門組に手を貸してもらおうと思った。鬼ヶ城龍道は、鬼ヶ城竜胆、キミに僕の事を繋げてくれる架け橋になると思ってたんだ。そうしたら、まさかまさかの獄門組のゴタゴタを知る事になっちゃった。田中くん、キミも隠し事が上手いよね。……田中くん、キミのその青い瞳と金色の髪の毛、もう隠すのを辞めたら?……キミのお母さんの外国の血、少しくらい表に出しても良いと思うけど?折角、綺麗な青と金なんだらさ。……僕は、田中くんの青い瞳と金色の髪の毛好きだよ。後、田中くん、身長が低めで童顔だから、お人形さんみたいで好きだよ」

 だから、ボク、顔を隠しているんだけどなァ……。龍道さん、多分、ボクの容姿好きそうだから隠していたんだけど……。

 「龍道さんが、ボクの容姿好きそうだから隠していたんだけどぉ。ボク髪の毛伸ばしてるから、女のコみたいだし……仕方無いから、今、ウイッグとカラコン外してあげるけど、梓くん、龍道さんの事どうにかするのはキミの役目だから」

 ボクは、久し振りに人前で素の姿になる事にした。

 「……田中くん、僕の想像より外国の血濃いね。本当にお人形さんだ……。多分、タマより、龍道さんの好みの容姿してるよ。その外見で殺しと拷問が得意とか、ちょっと感覚がおかしくなりそう。……性別が男なのもちょっと疑いそうだよ?」

 梓くんが、超ボクのコンプレックスを刺激してくる。