君の見ていた空


 ボクから、殺しと拷問を取ったら何も残らないもの。

 ボクのただ1人の味方が、命懸けで授けてくれた殺しと拷問はボクの大切なモノだよ。

 「サヨウナラ。先代組長。ボクが獄門組を貰うよ。この世は、理不尽に満ち溢れている。ボクは、この世のありとあらゆる理不尽に苦しんでいる人間を手助けしてあげるような組織として拷問組を使っていくよ。殺しと拷問は、ボクの理不尽を唯一紛らわせてくれる劇薬だから、辞めてアゲナイ。どうか地獄でボクの事を笑って見てみてヨ。ボクもさ、そのうち地獄に行くから、その時は、殺しと拷問をオマエにだけシテヤルから、感謝しろよ?」

 「はははっ……竜胆、私は大馬鹿者だな。私はキミの事を愛する事のできない最低の親で申し訳ない。地獄で竜胆の事をずっと見ているよ。……きっと、それが私にできる唯一の償いなんだと思うよ」

 ……イヤな事を思い出してしまった。

 梓くんは、とても良く人を見ているのかもしれないなァ。

 「……梓くん、残念ながらボクは狂っている。……どんな理由があっても、ボクのやっている事は間違いナンダヨ。……それから、梓くんの携帯越しからこの会話を聞いている、鬼ヶ城龍道、君が気にするような事は何一つない。ボクが獄門組の組長である限り、君は一生若頭だ。ボクがお前をそれ以上出世させない。……これがボクの復讐だ。鬼ヶ城龍道を永遠に獄門組の時期組長だと言われ続けて、お前は一生若頭で居続ける、ボクとお前は9つ離れているし、ボクは簡単には死なないから、最高の復讐になる。本邸で暮らしている、妾共や妾の餓鬼共は一生組長が誰なのか知らないまま死んでいってもらう。……ボクがこの6年かけて作っていた獄門組は中々のモノだろう?……龍道さんは、綺麗な物を一生愛して生きていきなよ」