「……そういう事になるのかな?僕は、獄門組の事が気になったんだ。数年前から、獄門組の在り方が変わったから。獄門組があまりにも血生臭いヤクザから、真っ当な商売を行うようになって、血生臭い事からは手を引き始めたという情報を手にしてから。……僕は、獄門組が悪事を完璧に隠蔽できるようになったのだと考えた。警察すらも騙せる……いや、黙らせる力を持つ人間が組長になったんだと思った。……田中くん、君は、ヤクザの才能というか、悪に対する耐性が天才的にあるんだよね?……この世のありとあらゆる悪事を全て把握しているし、殺しや拷問の天才なんだよね?」
ハハッ、梓くん、キミは本当に天才ダネ。
「そうだね。……ボクは、物心ついた時から、3度の飯より殺しや拷問が大好きな人間ダヨ。獄門組はボクにとって最高の遊び場さ。組にとって不利益になる人間には何をしても良い。龍道さんが、そこそこ大きくなってから見てきた、人間の生首等は全てボクがヤッたものダヨ。……龍道さんは、基本的に優しいからサァ、定期的にヤクザだヨって事を実感させておこうと思ってね。後、組の中がたるんでるなァって時には、死体って有効だよネェ。……ボクは、狂っている自覚は多いにある。先代の組長はボクに対して、殺しや拷問を控えるように言って来てムカついたから、殺した。……後、ボクの母親が自分が本妻なのにボクを跡取りにできなくて、気狂いになってある日、ボクの首を締めて、オマエが龍道より遅く生まれたせいでこうなったんだ、死んで償えと言ってきたんだけど、その光景を先代組長は見ていたのに、知らない振りをしたんだよ。……ボクは母親に殺されるのは御免だから、その手を噛み切ってやって、その後、このまま気狂いで生きていくのも苦しいだろうから、殺してあげた。……最期にさ、母親に、龍道さんは一生若頭で、ボクが組長になってアゲルから、安心して死になよ、オカアサンって言ったら、涙を流しながら、ごめんね……竜胆、だめなお母さんで、……私の望みばかりで竜胆の事一度も考えてあげたことなかった。……これからは竜胆の思うがまま好きな事をして生きていきなさい。母は竜胆に殺されて本望です。って言って死んでいったよ」



