僕は、自分の年齢を把握していない。

 物心ついたら、大きな部屋に幽閉されていた。
 必要最低限の世話はされていたが、僕自身やる気の欠片もなかったから、そのまま小学生になるまで過ごした。

 気が付いたら、部屋にランドセルが置かれ、これを背負って学校へ行くように言われた。面倒くさい。学校とか外の世界とか行く必要なく無いか?

 学校へ行き始めたら、何故か周りに人が群がって来た。
 ウザい。話しかけてくるな。触るな。

 僕は、自分の見た目が極上である事に気が付いた。コレは使える。見た目の良さだけで生きていく事を決意した。

 小学校、中学校は仕方が無いから学校へ行き卒業した。高校からは、幽閉されていた部屋が広かったので、学校へ通わずに卒業させろ、それが無理なら一生僕を養い続けろと脅した。

 そうしたら、学校へ通わずに卒業できる高校に入れてくれて、最低限のテストと出席だけで卒業できた。たまに、パンフレットの写真を撮らせろとか、卒業式や入学式でコレを読めと言われたから、してやった。
 僕は、高校で幻の人として有名になったらしい。僕の写真が写っているパンフレットを見て入学してきた人は、僕が在籍している証拠がある事で、同じところで生きているのだから、会えない位で文句を言っている自分を恥じたらしい。

 多分、間違っている。僕がもう少し普通の人間だったら、幻とは言われずレアキャラ位には会える人間だったはずだからである。

 卒業後は、仕方が無いから、僕の身の回りの世話をしてきた2人を引き抜き、僕の美貌で色々とやった。
 とにかく動く事が嫌だったので、お仕事の依頼を貰って、その報酬で生活をする事にした。ヒモとかは、あまりにも何もしないので向いていないと判断して、身体を売る(10億〜)事や、情報収集を仕事にした。

 身体を売ったのは、3回なのだが、3回とも同じ人間でしかも男、どこからそのお金が生まれてくるのか知らないが、ソイツはとにかく、美しい物が好きらしい。
 俺の事は、龍と呼べと言うから、きっと名前か名字に龍がつくのだろう。