タマは、その美貌片手に報酬の高い依頼で優雅な生活を送る事を人生の目標にして、身の回りの事を自分でやった事は一度も無いという、驚愕の人物である。
 お手伝いさんというか、実家からメイドと執事を引き抜き、その人達の給料と日々の暮らしの為に働いているらしい。

 タマのメイドと執事は、長年タマのお世話をしているのか、トイレ以外全てのお世話をこなすらしい。
 食事ですら、タマは手を使って食べない驚愕の生活をしているらしく、外に出て歩いて食事をする事は、タマにとって仕事らしい。

 ヤバい奴である。タマを両親に見せに行った時には、絶滅危惧種だ!!!と言われた。両親はタマを見ただけで、何にもしない奴だと気が付いたらしく、ウチの梓ちゃんが絶滅危惧種を連れてきた!!と大騒ぎした。

 ちなみに、タマは両親を見て、ご無沙汰しておりますと言っていた。多分、どっかで会った事があるのだろう。タマは、仕事関係で会った人間は全て覚えている。どんなに姿を変えても、タマには一目瞭然らしい。
 タマの能力は限定的に使える物で、万能ではないが、凄い能力である。両親はポチを見て、え………あれって………何年前………え………不老不死???……え、え、え………って反応をしていた。

 タマは、人間じゃない可能性がある。
 実は、妖怪なのかもしれない。もしくは、異世界人。

 僕の好きな異世界モノに出てくるエルフなのかもしれない。
 タマと一緒にいると引き籠もりたくなる。僕も将来はタマのような生活をしようかな……。

 いや、姉が目覚めたら姉にベッタリしなければいけないから、タマにはなれない。とりあえず、姉が僕をタマのような生活をさせてくれるかもしれないと期待しておこう。