ツナミの女/80S青春群像『ヒートフルーツ』豪女外伝/津波祥子バージョン編【完結】

その21
砂垣



これは…

バグジーの奴、祥子が蹴りを入れた後、防御に備えるまでのわずかな”空き”を狙ってやがったんだ

凶器の右スパンを、飛びつき様に祥子の腹へめり込ませやがったよ

いわゆる胃袋掴みだ

それにしても…

中腰から祥子に突っ込んだバグジーの右腕は、牙を剥き大口を広げて獲物に食らいつくキングコブラかハブに見えたぜ

いつもながら、奴の戦う絵柄は獣さながらだよ


...



仰向け状態の祥子は、苦痛をこらえる形相でのた打ち回ってるな

両足をバタつかせ、食いつかれた”牙”を外しにかかるが、バグジーは上から体重をかけ、祥子の逃げれようとする動きに合わせ、重心を滑らかに移動させてる

これは効くぞ!


...



だが…、祥子もクロー対策は十分積んできたようだ

一見、苦し紛れにばたついているように見えるが、抜け出るタイミングを計ってるのが覗える

おっ!

バグジーと自分の体が若干離れたわずかのスキを見逃さず、祥子は両足をその”隙間”に潜らせたわ

更に、腹に食い込んでる相手の右腕を自らの両手で左に捻った

たまらず祥子の腹から右手を離したバグジーは、相手の両足で左にそらされ、あっという間に仰向けに寝かされたぞ

わー…

いつの間にやら、右腕は祥子の両足にはさまり、逆関節を決められてんじゃん

祥子はクロー脱出を反転攻勢に繋げやがったわ

あの人間離れした握力を持つ大男に対して、何て野郎だ…


...



今度はさっきと全く逆だ…

苦悶の表情を浮かべて両足をばたつかせるバグジーは、祥子の両足に収まった右腕を抜こうと体を起こし、左手を持って行こうとするが、その都度、祥子に上腕部を絞り上げられ地面にUターンだ

これって…、完璧な腕ひしぎ十字固めじゃねえかよ!

大柄の祥子っていやあ、もっぱらスタンディングでの打撃を主体としたケンカスタイルだったはずだが、こんなバリーエーションもマスターしてやがったのか…

それに短期勝負を得意にしていたから、スタミナには難があっただろうに、自分より大きい男が相手でも今んこと、攻め疲れはしていない

こうなると、さすがのバグジーでも、そう簡単には勝てそうもねーぞ…