ツナミの女/80S青春群像『ヒートフルーツ』豪女外伝/津波祥子バージョン編【完結】

その17
祥子


私と克子の元には、新村静美がもどってきたぞ!

「祥子さん!こっちのメンツは揃ってますから…」

「わかった」

よし…、ここジャッカル・ワンはうちらサイドで固めてある

更に各校の周辺には、本田多美代が南玉連合と真樹子さんの仕切るレディースキャビネットの系列メンバーを借り出して目を光らせてるんだ

私は麻衣や三田村さんの目利きを信頼して、自分の役目を全うするのみ!



迫田リエ…

彼女は私にとって、最高レベルの相互シンパシー女子だよ(笑)

私ら二人の共通項はある意味、単純明瞭だったかな…

つまり!

この都県境界隈では、猛る女たちの指針だった紅組&南玉連合の旗振りロボットにはならないという、反骨心を常に持ち続け、フリー魂を貫いてきた同志同士だったってことでね(苦笑)

彼女とは、岩本真樹子さんが本郷麻衣と都県境の既存フレームに爆弾を投下する昨夏のムーブメント構想で仲間として共闘したんだが、常に刺激し合えるカンケーでやっていけた

ははは…、思い出すよ

昨夏の短い再編ムーブメント中でもさ、ヤツとはいくつも濃い時間があったし



でもさ、ウチら、どこかドライだったかな

それも妙に絢はあったんだ

決して渇いてはなかった

うん…!

リエは先のスクラッププール決戦を宣戦布告した場でもさ、今じゃあ、南玉連合を引っ張る立場に就いた私に、体を張ったエールを送ってくれたしな

去年の夏、ガンガンにやり合った末、心を通じ合った元紅組の片桐さんと一緒に参陣してくれたさ

そして、排赤×反排赤という構図の決着を終えた後、新たな…、強大な敵が私らの前に潜み寄ってきたってことだわ

あの熱い夏の再編劇から1年を経たこの日…

”NGなきワル”軍団との直接対峙という局面で、そのかけがえのない仲間の顔を見たら、なんか鳥肌が湧いたわ

なにしろ、この場に盟友の迫田リエが顔を出してくれたということは、まさに百万の援軍を得た気持ちになれたんだ

ふふ…、リエとはそれこそいろいろあったが…

この時、私のアタマには、1年前の”あの出来事”が自然とフラッシュバックしたよ

さあ…、そうとなったら目下眼前の客人連中にはガツンとかましてやる!