その16
リエ
驚いた…!
ジャッカルワンの駐車場には、レディース・キャビネット系列、墨東会とこの傘下団体、砂垣グループ、さらに紅組からのメンバーがズラリと顔を揃えていたわ
それらの周知組織に加え、なんと、一年前の再編闘争で私らの真正面の敵だった南玉連合から脱退した当時の南玉主流派幹部、湯本敦子も気張って待機してしたわよ
で…、私は昨夏の一連事では因縁深い彼女と目が合ってね
...
「あー、迫田さん!今日は暑い中、ご苦労様です~!」
こう声をかけてきたのは…、湯本を黒沼高でバイク上から襲った際、身を挺して彼女をかばった黒沼の男子生徒…
確か、あの子…‼
「あ…、キミは墨東会の南部さんの…?」
「アハハ…、やだな、迫田さん。先月のスクラッププールでも、目と目を合わせてるのに、挨拶できなくですんませんでしたね。南部テツヤですよ、オレ。よもや、お忘れですか?」
「いえ…、あの、南部君…、”あの時”はゴメンね。あなた、一般生徒だったのに、ケガさせちゃって…。スクラッププールの決戦時はさ…、声かけようかと思ってたんだけど…、でも、バタバタしてたんで…」
「ですよね~~!あん時はバタバタでしたからね…。よかったすよ、今日、こういうシチュエーションでばったりできて。ハハハ…」
なによ、この子…
横の湯本敦子にも、”ねっ、あっこさんもそう思ってるっしょ?”とかって、熱血漢の年上女の顔を覗き込んでるし…
湯本はなんか、柄にもなくもじもじしてる…
私ら…、ひょっとしてカレの手のひらに乗っかってる?
...
「湯本さん…、その節は乱暴な振る舞いだったわ。私の立場は、相馬豹子…、いえ、本郷麻衣サイドってことで自分の役目に熱くなりすぎてたかもしれない。…ちょっと、反省してる」
わー、いくらなんでもここが限界よ、私的には~~
でも、湯本敦子は目を伏せて、なんか、彼女らしくもあり、そうでなくもあったかな…
って感じだったわ
...
「あっこさん…、今日は本郷麻衣が超危険な敵に銃弾をぶっ放して、その反動がこっちサイドに跳ね返ってくるのを、去年の夏、真正面からぶつかり合った同士、皆が連帯してココの中で連中と対峙してる祥子さんをフォローするんですよ。で、この迫田さんもあっこさんと同様、フリーの身でこっちの前面に立つ祥子さんの護衛に駆け付けてくれたんです。ですから…、ねっ!」
「テツヤ君…、アナタがそう言うなら…。迫田さん、今日はありがとう。私は現南玉連合を背負って立つ祥子をここで側面支援する。あなたは、すぐに中へ入って彼女を頼むわ。盟友なんでしょ、津波祥子とは…!」
「湯本さん…、わかったわ。込み入った話はいずれ…、でいいのね?」
「いいわ!もう中には積田さんが敵陣への牽制を張ってるから。…今日は鷹美がどうしても駆けつけられないのよ。なので、あなたが顔を見せれば祥子も力強いはずよ。…静美、早く!」
「あ…、ハイ!…迫田先輩、行きましょう」
「うん、じゃあ…」
わー、こんな状況下でも、南部テツヤは両手を頭越しに手を振ってるわ
満面、笑顔で…
彼…、確か横田競子の陸上仲間で元カレだったわね
でも今は…
んなら…、”そう言うこと”なのかよー?
であればこの私…、ひょっとして彼らの恋のキューピットかもね(苦笑)
...
「新村さん!じゃあ、行くわよ‼」
「ハイ!」
私たち二人は津波祥子の待つ、ジャッカル・ワンの店内へと小走りして向かった
リエ
驚いた…!
ジャッカルワンの駐車場には、レディース・キャビネット系列、墨東会とこの傘下団体、砂垣グループ、さらに紅組からのメンバーがズラリと顔を揃えていたわ
それらの周知組織に加え、なんと、一年前の再編闘争で私らの真正面の敵だった南玉連合から脱退した当時の南玉主流派幹部、湯本敦子も気張って待機してしたわよ
で…、私は昨夏の一連事では因縁深い彼女と目が合ってね
...
「あー、迫田さん!今日は暑い中、ご苦労様です~!」
こう声をかけてきたのは…、湯本を黒沼高でバイク上から襲った際、身を挺して彼女をかばった黒沼の男子生徒…
確か、あの子…‼
「あ…、キミは墨東会の南部さんの…?」
「アハハ…、やだな、迫田さん。先月のスクラッププールでも、目と目を合わせてるのに、挨拶できなくですんませんでしたね。南部テツヤですよ、オレ。よもや、お忘れですか?」
「いえ…、あの、南部君…、”あの時”はゴメンね。あなた、一般生徒だったのに、ケガさせちゃって…。スクラッププールの決戦時はさ…、声かけようかと思ってたんだけど…、でも、バタバタしてたんで…」
「ですよね~~!あん時はバタバタでしたからね…。よかったすよ、今日、こういうシチュエーションでばったりできて。ハハハ…」
なによ、この子…
横の湯本敦子にも、”ねっ、あっこさんもそう思ってるっしょ?”とかって、熱血漢の年上女の顔を覗き込んでるし…
湯本はなんか、柄にもなくもじもじしてる…
私ら…、ひょっとしてカレの手のひらに乗っかってる?
...
「湯本さん…、その節は乱暴な振る舞いだったわ。私の立場は、相馬豹子…、いえ、本郷麻衣サイドってことで自分の役目に熱くなりすぎてたかもしれない。…ちょっと、反省してる」
わー、いくらなんでもここが限界よ、私的には~~
でも、湯本敦子は目を伏せて、なんか、彼女らしくもあり、そうでなくもあったかな…
って感じだったわ
...
「あっこさん…、今日は本郷麻衣が超危険な敵に銃弾をぶっ放して、その反動がこっちサイドに跳ね返ってくるのを、去年の夏、真正面からぶつかり合った同士、皆が連帯してココの中で連中と対峙してる祥子さんをフォローするんですよ。で、この迫田さんもあっこさんと同様、フリーの身でこっちの前面に立つ祥子さんの護衛に駆け付けてくれたんです。ですから…、ねっ!」
「テツヤ君…、アナタがそう言うなら…。迫田さん、今日はありがとう。私は現南玉連合を背負って立つ祥子をここで側面支援する。あなたは、すぐに中へ入って彼女を頼むわ。盟友なんでしょ、津波祥子とは…!」
「湯本さん…、わかったわ。込み入った話はいずれ…、でいいのね?」
「いいわ!もう中には積田さんが敵陣への牽制を張ってるから。…今日は鷹美がどうしても駆けつけられないのよ。なので、あなたが顔を見せれば祥子も力強いはずよ。…静美、早く!」
「あ…、ハイ!…迫田先輩、行きましょう」
「うん、じゃあ…」
わー、こんな状況下でも、南部テツヤは両手を頭越しに手を振ってるわ
満面、笑顔で…
彼…、確か横田競子の陸上仲間で元カレだったわね
でも今は…
んなら…、”そう言うこと”なのかよー?
であればこの私…、ひょっとして彼らの恋のキューピットかもね(苦笑)
...
「新村さん!じゃあ、行くわよ‼」
「ハイ!」
私たち二人は津波祥子の待つ、ジャッカル・ワンの店内へと小走りして向かった



