ツナミの女/80S青春群像『ヒートフルーツ』豪女外伝/津波祥子バージョン編【完結】

その46
ケイコ



「横田さん…、キミの言うとおりだよ。そして、相和会もその解釈だと思う。ただ、それは表だって明らかなことじゃない。ここでは断定しているが、論拠を裏付ける証拠などないことなんだよ」

「…つまり、確信犯だと断定できても、大打と東龍会の繋がりも、奴らが描いているとんでもない企みも、ここだけの推測の域を出ないと…」

「うん、キミたちが俺の話を妄想だと断じれば、それまでだ。ならば、あの業界での当事者なら、第三者へキッチリ証明できなきゃさ、対外的な目もあることだし、やたらな実力行使など簡単にはできないよな?」

砂垣さんは誠実に答えてくれた

私たちが今、目にしている脅威は、特殊な立場で知り得た特別な情報からもたらせていることを自覚する必要があるってことなんだろう

何ともやりきれない限りだが…


...



砂垣さんは、なおも丁寧に”背景”を説明してくれたよ

「…この夏に相馬会長が亡くなったのを機に、東西両広域が歩調を合わせて、独立系の相和会とは、今後の相互関係を見直したんだが、その後、新体制の相和会は西にシフトした」

この辺りは追川さんからの情報とも重なるわ

「…ふふ、諸星さんと話してて実感したが、相和会はしたたかだよ。ガキを挟んで東龍会が星流会の背中を押してることは読んでたから、相互の合意を交わした直後、関東にケンカを吹っかけられる状況を誘導したんだ」

うん、追川さんは東西間に杭を打ち込んだって表現だったけど、同じような意味かな

「…関西には2代目だった建田さんの残党が走ったことへの容認や、逆に建田組を裏切らせた奴を関西の主要どころに預けて、関西との親密度を高めると同時に、関東へはそのシグナルとした。そして、麻衣が撲殺男として関西では名の通った倉橋さんの婚約者として西詣でに同行し、親善プリンセスの役割を果たすと、業界内でも注目を受けた。これはみんな、周知のトピックだよな(苦笑)」

麻衣の西方行脚は、都県境の私らの界隈でも凄い話題になってたからね…

静美が、”そうそう…、麻衣さん、凄いよねえ…”って小声を上げてるし(笑)