「ものすごい混んでるね。」

俺鮫上紺は最悪という感情を隠さずため息をつくと

鮎川に腕抱かれながら歩く梶が苦笑しながら

「そんな最悪という感じ出しちゃダメだよ。

大切な彼女と初日の出観に行くのに。」

そう。俺が寝正月を諦めてまったく興味無かった初日の出を観に行くと決めたのは全て俺のためだ。

俺の誕生日に同時プロポーズして婚約して初めての新年。

俺は一生初と一緒にいると決めているため初日の出を一緒に観る事で長くなる2人の人生に良い想い出を作れると考えたからだ。