俺が言うと女の子はぶんぶんと首を振った。

「ううん。病気の人を大人であっても1人なんてしたくない!

ううん!しちゃいけない!

それに大切な思い出つくるために来たんなら離れ離れになっちゃダメだよ!

だって2人の思い出は2人じゃないと出来ないんだから!

それに君が父さんと別れて平気なはずない!

ずっと心配して一緒にいたいって顔してるもん!」

その真っ直ぐな瞳は涙で濡れていた。

さっきの不安や寂しさの涙と違う。

この子は父さんと、そして俺の事想って泣いていると分かった。

変な話だけどその泣き顔は俺は嬉しかった。