私が初めてこんな感情になったのは、きっとあの日からなんだろう―。


〜プロローグ〜

「行ってきます。」そう言って出かけたあの日。私は図書館に行った。いつものように小日向 時雨さんの小説を手にとって、幸せな気持ちで眺める。