…………。
なんだ、この状況。
何で学校一のモテ男子が私に跪いて告白してるんだ?
いやいやいや、そもそも一目惚れってないないない。
だって、毎日完璧に美しい自分の顔を見ている人が?
あり得なさすぎる。
「勘違いじゃないですか?」
まじで大丈夫かという目で都稀君を見る。
すると、都稀君はコテンと首をかしげた。
「なんで?こんなに君に興奮してるのに。」
「なっ、なななな!?」
こ、興奮って何ー!??
変態?変態なの?私、変態に目をつけられちゃった?
うん、断ろう。早くそうしろって私の本能が訴えてる。
「すみません、無理です。では。」
できるだけ冷たく言うと、都稀君は少しだけ考えて、
「ん。じゃあ僕が君を落とせばいいって事だよね?がんばる。ありがと。」
「はあっ!?」
なんでそうなるの!
「君、名前は?」
も、もう!!勝手に話進めて!
「此花ののだけどっ?」
怒ってると知らせるためにわざと乱暴に言うと、
「ふふ、怒ってる顔もかわいいね。」
ゾワッ。なに、この人。怖い。
すると、都稀君は怯える私の手を取り、
「じゃあね、のの。また明日。」
ちゅっ。
甲にキスを落とした。
そして……
「クスッ。それだけで固まっていたらこの先もたないよ?ま、そんなところも可愛いけどね。」
と、やけにムカつく言葉を残して去っていった。
………………。
しばらく呆然として、で、だから、
本当に、まじで、
「だーれが、好きになるかこの馬鹿野郎っーーーーーーー!!!!」
精一杯の想いを叫んだ。