「はーい♡生徒諸君!」

体育館に集められた生徒たち。一体何が始まるんだろう…。

学園長の合図で、空から降ってきたのは…ハート型の風船。

「この風船の中には色んな質問の書かれたカードが入っています。2人で風船を割ってゲットした質問に答え合って、お互いを知るきっかけにしてね」


なるほど、オリエンテーションか。

これなら、自然に啓吾くんと仲良くなれそう!


「ちなみに風船はこうやって、お腹に挟んで2人で抱きしめ合って割ってね♡」

さすが七海学園…一筋縄じゃいかないよね。

「啓吾くん、頑張ろうね!」

「うん」

降ってきた風船を既にキャッチしてた啓吾くんが、私の方に向かって手を広げてきた。


「っ……」

少し戸惑いながらも、啓吾くんの胸の中へ入る。

男の子とこんなにボディタッチするの初めてで、緊張しちゃう。

2人とも無言だから、心臓の音聞こえてないかな。


あまりにも、優しく抱きしめるから…。


「力入れないと、割れないよ」

耳元でささやいてきた。

待って、反則…!

照れ隠しに、啓吾くんの胴をぎゅっと抱きしめた。


パンッ。


風船が割れた瞬間、啓吾くんとの距離が0センチになる。

「わっ」

思わず離れてしまったら、啓吾くんはクスリと笑って、落ちたカードを拾った。

すごい、余裕そう…。