夏休みに入ってから数日後──。


課題には一切手をつけず、家でのんびり過ごしていた私は、お昼過ぎに来た通知からその夜は慌ただしく遊ぶ支度をしていた。

着ていく候補が決まると、少し早く寝て、少し早く起きた。

今日は美咲と珠々の三人で遊ぶ予定になっている。


私は鼻歌を歌いながら朝食を済ませると、時間を確認して玄関先に座った。



「久しぶりに会える!」



立ち上がって叫んだ私に、お兄ちゃんが呆れた顔で言って来た。



「ハメを外し過ぎるなよ?」


「そんなことしないよ。いってきまーす!」


「いってらー」



お兄ちゃんに見送られて出発した私は最寄り駅へ向かった。

今日は電車で珠々の家がある街で買い物とケーキを食べる予定になっている。