「──でもどうして、あの三人を選んだの?」
「亮平はドラムが似合いそうだったし、ゲーセンでドラムのゲームやったらかなり上手かったんだよ。
凛花も似たような理由だな。
それにあの二人は冷静だし、しっかりしてるだろ?
真面目過ぎてたまにうるさいく感じるけど、何か合った時に支えてくれそうで。甘えてるんだよ」
「確かに奏音よりしっかりしてるよね。二人も適当な奏音に呆れてるし」
「おい!俺に対して言い過ぎだろ」
謝れよと言ってくる奏音をスルーして「馨は?」と聞くと、奏音は怒りながら教えてくれた。
「馨はもともと俺に影響されてベースをはじめてたんだよ。
ギターをやるつもりだったらしいけど、馨の兄貴が将来を考えてベースをやった方が良いって勧めてたんだと」
「それって奏音がいつかバンド組むって思ったってことだよね」
「それだよ。すげぇ読まれてんなって思って怖かったわ」
「あはは!馨のお兄さんすごいね!
奏音の思考を読めるなんて中々出来ることじゃないよ!」
「おい、どう言う意味だ!?」
睨んできた奏音を、これまたスルーをして私は笑う。