「ふわぁぁ……」


「寝るんならソファで寝ればいいじゃねぇか」


「まぁな。なんだけど、壁により掛かって寝るのに慣れてなぁ」



亮平の言葉に俺は言い訳を返すと、伸びをして立ち上がり、軽く身体を捻った。


変な寝方で、変な時間にだいぶ寝ちまったな。


壁に掛かってる時計を見れば、時刻は9時前で。

20分は寝ている。



「あと残り十分ちょいだけど、やってくか?」



亮平がドラムスティックをペン回しのようにクルクルさせながら聞いて来た。

ちなみに、凛花と馨はそれぞれギターやベースを肩に掛けて何かのフレーズを弾いている。



「あぁ」



亮平ん家での練習は、いつも9時を目安に終わっている。

補導時間や、電車の兼ね合いとかあって、一番いい感じなのだ。


あとは、亮平の親父さんがクラシック聴くための部屋だからな。

これ以上長くはいられない。